医療ツーリズムの現状
MEDICAL TOURISM

医療観光(医療ツーリズム)の実態と課題

現在、【日本以外】アジア諸国の医療環境は決して万全とは言えない状況です。
日本の医療レベルの高さは、そういった諸外国にも認知されており、特に中国をはじめとする外国人の方々が、日本の医療を受けるために訪日される、いわゆる「医療観光(医療ツーリズム・メディカルツーリズム)」と呼ばれる制度が昨今、人気になっています。

日本政府(外務省・経済産業省)が認定している登録医療コーディネーター事業者は、2019年3月時点で80事業者認定になりますが、そのうち医療機関による登録医療コーディネーター事業者数はわずか8施設、総合医療体制による対応可能施設も5施設程度でしかなく、残り72施設は民間の医療コーディネーター事業者という現状です。

医療観光で来日する多くの外国人は、日本での治療希望者=既に疾病を抱えた状況 ですので、一刻も早く日本の高度医療での治療を望んでいます。
しかし、国内の基幹医療施設の対応、体制はあくまでも検査枠の空きがあれば受け入れる程度で、積極的に確定診断から治療へ取り組む施設は現状では少なく、海外患者にとってとても厳しい環境と言えます。

それ故に、医療コーディネーター事業者は、病状把握を的確に行い、ベストなマッチングと素早いタイミングのもと治療開始を行う必要がありますが、多くの医療コーディネーター事業者は、医療とは無関係な事業体で、国内の総合医療体制で医療提供できる施設との関係も薄く、ベストマッチングできる機能が無い状況にあります。医療提供においてもタイミングがズレ、生命の危険性などのリスクを負うため、多くの医師・医療機関から医療ツーリズム事業に対して危険視する声が上がっています。

【ベストマッチングを望むなら、医療知識を有した医療コーディネーター事業者に依頼するべき】

そもそも、医療技術の評価、医師の個別評価、これらは医療従事者になって初めて知り得る事ですから、医療従事者以外のサービス事業者によるベストマッチングは先ず100%無いと断言できます。

また医療コーディネーター事業者の活動エリアがやみくもに広すぎる事も問題です。
例えば、九州地区の医療コーディネーター事業者が関東や東海地区の医療機関や医師に患者を紹介するなど、そもそも遠く離れた地域の医師や医療機関に対し、安心・安全・技術力を理解し自信をもって患者を紹介できるのかが疑問に思うところです。
能力の高い医師同士であれば知らない医師に自分の患者を紹介することはまずありません。それは紹介する以上、その医師の力量を信頼して行わなければならないからです。
医療コーディネーター事業者のこのような無責任な海外患者の医療紹介事業は大変危険な行為であると考えられます。

こういった現状から、受入医療機関の多くは、民間事業者による治療受入を敬遠する傾向にあります。
医療機関による医療ツーリズムへの積極的な取り組みへの鍵は、医療知識を有した医療コーディネーター事業者と医師の積極的関与と医師からの紹介です。

医療ツーリズムが抱える現状の課題をまとめると、以下の通りとなります。

  • 現在国内の多くの医療施設は、日本人患者対応施設で、検査枠等空きがあれば対応する程度で、一部施設が受入する程度。多くはその煩雑さから受け入れに消極的である。海外患者の希望には程遠い状況で総合的な医療提供体制にはなく、多くは欧米諸国まで足を延ばし医療を受けている。日本の丁寧な医療対応と医療倫理感に期待する声にこたえる施設整備が無い。
  • 社会的倫理観・医療倫理観が欠落した医療コーディネーター事業者の存在
  • 適正な病態把握ができないままの入国手続きや適当な医療施設への紹介
  • 医療者との信頼関係未構築
  • 集患契約時での法外な費用徴収(治療費用ではなく、中国国内の斡旋事業者の紹介手数料)
  • 曖昧な医療コーディネーター事業者認定
  • 国内医療施設の体制として日本人患者優先で、海外患者の常時受入ができない環境
  • 帰国後のケア体制の未整備(両国医師・医療施設連携の機能が無い)
  • 病態把握や治療ケアの煩雑さ・コミニケーション等の理由で海外患者受入を敬遠する傾向が強い
  • 医療コーディネーター事業者が国内医療施設に対する知識不足から発生する様々な問題
  • 確実な医療通訳者の配置ができていない(制度強化の方向にある)
  • 治療予約等日時設定が医療施設側の都合次第で受診まで時間がかかる

医療ツーリズムのあるべき姿

私たちは医療ツーリズム事業を行う上であるべき姿は以下のように考えています。

  • 必要な医療を必要な人に、素早くコーディネイトでき、提供環境を整えることができること
  • 医療を求める、外国人が安心し信頼して、自分の体を任せることが出来る病院で治療できること
  • 訪日手配、病院予約、送迎、医療通訳、医療ビザ取得、治療滞在時におけるサポート・相談窓口の存在
  • 患者病態把握、緊急時の受け入れ態勢と医療施設の担保、帰国後の治療継続へのサポート(両国の医師による包括ケア体制)が整うこと
  • 社会倫理観+医療倫理観を持ち合わせた、医療コーディネーター事業者の存在
    『人のための 人であること』
  • 医療コーディネーター事業者は、医療人(医療施設)と友好なコミニケーションが担保できること
  • 能力の高い医療通訳者の介在

医療コンシェルジュのご提案

がんなどの命にかかわる病気や治療が難しい病気になった時、誰しも、最先端の医療・治療を受けたいと思うのは当然のことです。最先端の医療で、これまでは治らなかった病気も治ったり、体により負担の少ない治療が行われたりと、先進医療制度の適用範囲が広がりを見せており、最先端医療技術は、以前と比べ、より早く患者さんに提供できつつあります。ところが、今日の医療事情においては、たまたま診療を担当した医師、又は医療施設が持ちうる経験、知識の範囲内で治療方針が決まり、その治療の選択肢があまりにも脆弱なため、先進医療も含め様々な最新の治療方法を知る機会も少ないというのが現状です。

先進医療は、どの病院でも行われているわけではなく、未だ多くは、保険診療として認められていないのが現状です。 患者さんが少しでも先進医療を受けやすくなるようにご案内し、その方にあった治療法をガイドしていこうというのが、私たちの提案する医療コンシュルジュ機能です。

先進医療は最先端の医療であるだけに、一般的に知られていない医療技術が少なくありません。日進月歩の医療技術は目覚ましい進歩を遂げていることを、意外にも現場の臨床医師は積極的に取り上げず、自らの経験知識のみで患者の治療方針を決定していることが少なくないのです。

疾病、病状において現存する治療方法を保険診療、自由診療も含めて検討し、カウンセリングを行い、患者、その家族へ多くの選択肢を提示し、家庭環境、経済環境を検討し、先進医療を実施している医療機関を紹介するなど、患者さんに治療手段を選択できる環境を作ることこそが、医療のこれから進むべき方向と考えます。

私たちは、最先端医療と一般的な治療を融合するような、本当の個別化医療をご案内するコンシュルジュサービスを実施し、先端的な試みを行っている医療機関と協力し患者さんにより良い医療提供環境をご案内してまいります。

医療コンシェルジュのお問い合わせ


PAGE TOP

医療インバウンドに関する
お問い合わせはこちら